STARRING |
RICHARD JOSEPH PAUL HEIDI LEICK MICHAEL BEACH DON McMANUS |
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GUEST STARS |
NICKY KATT BADJA DJOLA MARK PELLEGRINO UNA DAMON KIMBERLY NORRIS |
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---AND |
BRION JAMES (As JARED) |
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MUSIC BY |
TIM TRUMAN |
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DIRECTOR OF PHOTOGRAPHY |
JAMES BARTLE |
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PRODUCTION DESIGNER |
POBB WILSON KING |
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EDITED BY |
SKIP SCHOOLNIK |
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PRODUCED BY |
ALEX BEATON |
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WRITTEN BY |
JOHN LEEKLEY |
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DIRECTED BY |
SAM PILL SBURY |
<ストーリー>![]() ![]() 近未来、アメリカとメキシコの国境の砂漠で育ったジェイク・マクイーンは、メキシコからの不法移民の腕の良い運び屋をやっていた。不法移民はライトアップされ夜でも明るく輝く、ドームと呼ばれるL.A.を目指したが、中には臓器売買の売人に売られていく移民もいた。ジェイクは臓器の為に売られる移民を見ると、売人から彼らを逃がしたりした。 商品として売られる人間の身体は、人工臓器の拒絶反応を押さえる為のインタフェロンの原料にもされていた。そしてその主な買主がゲームや環境製品、医療器具を売る大企業クリサリス・コーポレーションである事は秘密にされていた。クリサリスのトップであるジェードは彼自身人工心臓を使い車椅子で生活する身体だったが、部下のロバート・リーからの報告で、移民を臓器の供給源にするのは既に限界であると知り、今度はゾーン(ドームの外の、はみ出し者の吹きだまり)に集まる者達をその供給源にするようにリーに命じる。 一方、ジェイクの行為(不法移民を越境させる事)に業を煮やした連邦はジェイク逮捕の為に連邦保安官を差し向けるが、その保安官・ウィルはジェイクの兄だった。ウィルは、一度は「天才メカニック」ディーンの所へ車の修理に立ち寄ったジェイクを取り逃がすが、ゾーンに踏み込んでジェイクを逮捕した。兄にしてみれば、ジェイクが賞金稼ぎに殺されるよりも起訴の取り下げと引き換えにまっとうな職業に就かせたかったのだった。 ![]() だが、クリサリスのジェードはすでに直ぐに手を打って来た。ジェードは以前から目を付けて、その私生活全てを覗き見ていたゲーム・クリエーターの女性社員ハンナ・タイリーに、彼女がジェイクと昔なじみである事を承知の上で「彼を新しいゲームの主人公のモデルにするから」という名目でジェイクの保釈に行かせた。しかしハンナはジェードが何か企んでいると感じ、それを暴くためクリサリスの中の彼女のオフィスから彼女のプリズム(コンピュータそのもの? 記憶装置?)を使って「脳と内耳と視神経に直接作用する」コンピュータに接続するが、そにはジェードの姿があった。 |
![]() 留置所のジェイクを保釈させたハンナは彼を自分のオフィスにつれて行き、そこで以前ジェイクが国境監視所の警備網を突破して密入国者を運んだ時の様子を再現した映像を見せ、そのオフィスで彼とハンナは昔恋人同士だった時のように振る舞った。しかし、その様子を全てジェードは監視していた。そしてジェードはリーに「(計画を変更し)ジェイクを捕らえるのではなく、彼の身体全てをもらう事にする」と告げる。 一方ジェイクはハンナの作ったバーチャル・リアリティの世界を体験し、またハンナがコンピュータ内のサイバー・スペースに肉体を移し替える(精神がコンピュータの中に入る)体験をしていると聞き、それに反発して彼女の手伝いから手を引くと言う。 ジェイクがクリサリスから出て行くのを知ったジェードはリーに命じてジェイクの年老いた父を襲わせる。ジェイクの父ジーンは国境付近の寂れた町で一人自動車修理工場を開いていたが、かつてはインディ500のエンジンも作った優秀なエンジニアだった。ジェイクはその父親を「時代の変化を受け入れられない頑固者」と思い、あまり会いに行くこともなくなっていたが、リー達に襲われて怪我をしたと聞き、父の元を訪れた。傷ついたジーンは、ジェイクが実は自分の実の息子ではないこと、ジェイクの本当の両親は子供を売買するならず者に殺されたこと、そしてジーンがジェイクを買ったことを告げる。さらに「平和を守るには誰かが立ち上がる必要がある。もう孤児は見たくない」と、ジェイクに戦う様促し、密かに作り上げていたスーパー・エンジンをジェイクに託して死ぬ。 |
![]() 同じ頃、ウィルもリーを「殺人容疑者」として追い、ジェイクより一足先にバーにいるリーたちを発見するが、反撃に遭う。危ない所に間に合ったジェイクに助けられ、リーの黒い車に追われるが、スピードの差で何とかリーの車を振り切る。 一方ハンナは彼女に恋するジェードに再びオフィスに呼ばれ、彼の本等の姿・・・外に露出した人工心臓を持ち、車椅子がなくても立ち、歩くことができる・・・を見せられ、脅えて逃げ出す。 |
![]() リー達に追われた時傷を負ったジェイクは、ハンナを頼ってドームの外にある彼女の家に行く。そこで傷の手当てを受け、また昔のように恋人同士に戻る。 朝になって、まだジェイクが眠っている間にハンナはクリサリスのコンピュータにアクセスするが、それを待ち構えていたジェードにサイバー・スペースの中で追われ、3分を越えても目覚めることなくそのまま死ぬ(サイバー・スペースに3分以上いると死んでしまうのだった)。 ハンナの死に怒ったジェイクはゾーンでギタリストをしているジョニーと共にハンナの家に戻り、彼女のプリズムを見付ける。 そのプリズムをディーンに車に取り付けてもらうと、「ハンナの意識」はジェイクの車を新たな身体として蘇えり、彼女がインターフェロンの秘密を知った為に殺されたことを伝える。 ![]() ![]() ![]() ジェイクとジョニー、そしてディーンとその彼女のマリアはジェード達の企みをつぶす為にクリサリス医療部の人体保管所のある古いモールへと向かう。途中待ち受けていたリーと戦闘になるが、リーはジョニーの運転する大型車に黒い車ごと押しつぶされて死ぬ。 一人ジェードのもとへ向かったジェイクは、手足も機械化して強力な力を持つジェードに圧倒されるが、戦いの中ジェードの調子がおかしくなる。ジェードのインターフェロンの効果が切れたのだ。インターフェロンを注射しようとするジェードにジェイクが飛びかかり、残ったインターフェロンのアンプルもすべて壊してしまう。ジェードは動くこともできなくなり、死の直前に言った。「人工臓器は衰えない。心臓は永遠に動く。だが肉体は常に機械を拒絶する。何故だ? 機械と肉体の接点はどこだ? 分からない・・・」 ![]() すべてが片付き、兄のウィルは連邦保安官をやめ、町の保安官になる事にした。そしてジェイクは(ハンナの事はウィルには秘密のまま)ハンナの家で当面暮らす事になった。 ![]() ジェイクが言う。「3分か。充分だ!」 |
<コメント>![]() では、いったい何をもって「ナイトライダーのアイデアを骨子に」と言うかといえば、「一人の男」と「知性を持ち、話し、自分の意志で動く事が出来る車」の部分だろう。主人公ジェイクは何の組織的バックボーンも無い一匹狼のアウトローで、権力サイドから見れば敵にあたる。このあたりがこの作品以外のナイトライダー物とは全く異なる。しかし、その誕生シーン・・・死に行く義理の父に「平和を守るために立ち上がれ」と諭され、スーパーカーならぬスーパーエンジンを譲り受けて立ちあがるあたりは元祖ナイトライダーを思わせなくもない。 一方、コンピュータ・カーの方は確かにハンナの残したコンピュータが動かしているわけだが、このコンピュータはプログラムによる人格というよりもハンナの魂そのものなのだ。「人間そっくりの性格」ではなく「人間そのものの性格」であり、しかもその人格がジェイクの殺された恋人、と言うのだから、車とドライバーの結びつきは他のナイトライダー物の比ではない。お互いがお互いのいる場所にとどまる限り直接触れ合うことも出来ない間になってしまった、このシチュエーションだけで結構ドラマが出来そうに思える。シリーズ化されなかったのが残念? この作品ではコンピュタと一体となったハンナだけでなく、機械の(と言うか、機械に近い)身体を持つジェードが悪の親玉として登場するわけだが、彼もまた「機械と人間との融合」を望む一人だった。ハンナは「電子ネットワークの世界」に人間の意志を送り込むことにより機械との融合を可能にしたが、ジェードは物理的に人間と機械を融合させようとして失敗した。他のナイトライダー物ではコンピュータ・カーはあくまで人間のサポートをする道具の延長だったが、この作品では「人間と機械の融合」について一歩踏み込んだ内容になっていたとも言える。 「ナイトライダー」のシリーズの1つとしてみたときこの作品は異質で浮いてしまうが、物語自体は案外面白いものだと思う。 |